〈カフェ・古今レポート2〉5月20日
昨日はカフェ・古今にお越しいただき、ありがとうございました!
第2回目となる昨日は
「ー能の魅力ー お話 吉沢旭」
ー吉沢旭ー
1979年生、名古屋市出身。南山大在学中より泉嘉夫氏(観世流シテ方)に師事。能の初シテは2007年「経正」。現在、公益社団法人 能楽堂協会名古屋支部 常議員。
「能の魅力」ということで
・能の簡単な歴史
・能をさらに楽しむお話
・仕舞・謡の実演
といった内容をお楽しみいただきました。
その中から少しだけご紹介!
・能の簡単な歴史(一部)
江戸時代、能役者は武家に準じる立場にあり、武家の中の芸能であったそうです。
その立場に至るまでには、名だたる武将たちが能を好んだことが有名です。かの有名な織田信長はとても能に好意的であったことや、更に熱狂的であったのは豊臣秀吉で、自身でも能を舞っていたほどであったとか。
その頃、演目のリストアップや演出、詞章なども管理されるようになり、現在では約200演目ほどが残っているそうです。
明治時代には、明治維新により幕府が倒れると能役者は廃業、転職を余儀なくされました。
しかし、アメリカ合衆国やヨーロッパ諸国に派遣された岩倉具視等は外国の、芸術を保護する体制に影響を受けて、自国の伝統芸術の必要性を感じました。そこで再び能は新たな支援者(華族、財閥など)に保護されるようになったそうです。
が、ほっとするのもつかの間、今度は戦争が起こり、再び存亡の危機にさらされました。
そんな困難な時ほど名人がたくさん生まれたそうで、それから多くの人々の努力と支えにより現在の日本を代表する古典芸能にまで至っているそうです。
・能をさらに楽しむお話
これは「猩々」の説明をしてくださっているところです。
能の〈型〉についても実演を交えてお話して下さいました。
型には〈(具体的な)意味のある型〉例えば、刀で切る等、と〈(具体的な)意味のない型〉サシコミ・ヒラキ等があるとのことです。
とくに〈(具体的な)意味のない型〉は、演じる人、観る人の知識と経験と想像力によって様々感じ方が変わります。
その点に注目して能を観てみると、普段とは違った楽しみ方が出来ますね。
個人的には「鵺(ぬえ)」のお話しがおもしろかったです。
鵺とは、能では頭は猿、手足は虎、尻尾は蛇という妖怪だそうです。
その鵺が、自分が源頼政に射抜かれて退治されたお話や、それにより頼政が讃えられたことを語るところがあるそうですが、何役にも成り代わって鵺が語るので、観ている人には分かりづらいそうです。そこを、ここは鵺が射抜かれたところ!ここは頼政に褒美の刀を与えている人!これは鵺が川に流されているところ!と、細かく説明してくださったので面白くて「鵺」が観てみたくなりました。
さらに日本舞踊にも鵺と頼政が登場する踊りがあるので、つながりと違いが分かり、ますます興味が湧きました。
・仕舞・謡の実演
これは「杜若」を舞っていただいているところです。
仕舞とは、能の一部を地謡の謡で演じるものです。
私どもの「子どもと伝統芸能(大人もあります)」に仕舞と謡のお稽古がありますが、吉沢旭氏を講師としてお迎えしています。
謡は「高砂」をお稽古してくださるそうです!
結婚式で聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
第一回目に引き続き、今回のカフェ古今もお陰様でとても有意義な時間となりました。
誠にありがとうございました。
吉沢旭氏には再びカフェ・古今にお越しいただく予定です。
今回来られなかった方は是非次の機会を楽しみにしていてください!
ー次回のカフェ・古今ー
5月27日(土)17:00〜18:00
蓄音機で聴く、名人の演奏「名人たちの秘密」お話 吉住小三代/市川櫻香
18:00〜19:00「三味線ワークショップ」
講師 吉住小三代
同日、カフェ・古今の前(15:00〜16:30)には「子どもと伝統芸能(大人もあります)」の説明会もありますので、是非ともご参加下さい。宜しくお願いいたします。
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